膀胱炎を疑う場合には、尿検査をおこないます。排尿開始時の尿は、出口(尿道口といいます)付近の細菌や白血球が混じりますので、途中の尿(中間尿)をとっていただきます。尿中に一定数の白血球、細菌が確認されれば膀胱炎の診断となります。また原因となっている菌を調べるための培養検査(尿培養)をおこないます。
治療には抗生物質を用います。3日ほど使用すると症状は改善しますが、再燃する場合もあり、医師の指示通りの期間服用するようにしてください。膀胱内に尿が長く留まると、細菌が繁殖しやすくなるので、十分に水分をとり、こまめにトイレにいくことが大切です。
薬を飲み終わったら受診をして、膀胱炎が完全に治っているかを確認してください。症状がよくならず、尿検査の所見が改善しない場合には、背景となる病気が隠れていることがあります。膀胱癌、膀胱結石、男性ですと前立腺肥大症が潜んでいる可能性があります。その場合でも超音波検査など身体に負担のかからない検査からすすめていきます。
また、尿培養をおこなうことで、使用した抗生剤と細菌との相性を調べています。処方された抗生物質の相性が悪い(効かない)場合には、培養検査の結果で相性が良い(効果がある)抗生物質に変更することがあります。最近は耐性菌という抗生剤への抵抗力が強くなり、薬への耐性をもった細菌が現れています。培養検査の結果を確認し、的確な種類と期間の抗生物質の使用がますます重要となってきています。