青いぽすと掲載コラム

青いぽすと2022.2.25号 膀胱炎はくせになる?

 膀胱炎は女性に多い疾患です。中には繰り返し発症する人がいるので「膀胱炎はくせになる」と思っている方もいるようですが、本当に1度なったらくせになるのでしょうか?

 いいえ、くせになることはありません。ただ膀胱炎を繰り返している人がいるのも事実です。繰り返す場合には、その都度膀胱炎がきちんと完治しているのか確認することが大切です。それでも繰り返す場合には膀胱炎を引き起こす原因が隠れていないか調べることも必要となるでしょう。

 下痢や便秘、性行為、極度な疲労や免疫力の低下など体調や生活習慣に原因があることもあります。繰り返す場合には放置せず病院を受診するようにしましょう。

青いぽすと2022.1.28号 人にある穴の数

 人の体に穴はいくつあるでしょう。九竅(きゅうきょう)と呼ばれる古い言葉があります。人の体にある9個の穴を示す言葉です。両目、両耳、両鼻、口、尿道、肛門を指すそうです。目は穴なの? ヘソは穴ではないの? 産道は?

 いろいろご意見はあるかもしれませんが、この言葉が示す穴は上述の9個の穴です。

 これらの穴を毎日いろいろなものが出入りします。その出入りを妨げないよう清潔に保つことは健康維持にとても大切なのだそうです。ちなみに九竅に百の骨を加えた百骸九竅は、人間を意味します。なんともすごい感性です。

青いぽすと2021.12.24号 伸びの効能

 朝目覚めたとき、大きなあくびをして伸びをする心地よさは誰しも経験したことがあると思います。この伸びにはさまざまな効能があることが分かっています。朝起きたばかりの筋肉の凝りをほぐし、柔軟性を高めます。睡眠中は心拍数が下がり、体を動かさないことで末梢循環が低下していますが、伸びはそれを回復してくれます。そうすることで目覚めをよくして朝から動きやすくなります。いつもより少し長く、少し大きく、体全体を使って伸びをするとより効果的です。犬や猫も体全体を大きく反らせて気持ちよさそうに伸びをしますね。それをイメージして毎日の健康習慣。今年も1年ありがとうございました。

青いぽすと2021.11.26号 病気の不安を和らげる方法

 人生を歩む過程で多くの人がなんらかの病気を経験します。病名を告げられ不安や恐怖を感じ、その後は落ち込み間違いであって欲しいと祈ったり、どうして自分だけがと嘆いたり。

 不安状態の持続は体調不良につながり、それがより一層不安を掻き立てるようになります。人は心の動揺が続いた後に自分を取り戻し、病気を受け入れ適応する能力を備えているとされます。ただ全ての人がそうとは言えません。また適応できたとしても不安は続くもの。まずは自分の対処法を見つけること。以前別なつらい出来事にどう対処したか。興味のあることに集中する、やりたい事をしている未来の自分の姿を想像する、病気のことを勉強して自身の今を知る、進歩を続ける現代の医療に願いを託す、そして最後は信頼できる人に相談するなど。今現在、病気の不安の中にいる人へわずかでも支えになれば幸いです。

青いぽすと2021.10.29号 夢のはたらき

 人はどうして夢を見るのか。夢のはたらきが最近少しずつ分かってきました。人が眠っているとき、脳の働きは低下し視覚、聴覚、触覚など外部神経伝達は抑制され、運動神経伝達も抑えられます。そしてREM睡眠と呼ばれる状態になったとき、別の神経伝達物質が働き脳の視覚、運動、感情中枢を刺激して現実のような世界が見えたり様々な感情が起こりますこれが夢です。脳の働きが低下しているため、おかしな夢もおかしいと判断できず記憶に残りにくいのです。夢を見ているとき、脳は覚醒時の記憶を整理し不要な記憶を消去しているといいます。特にストレスとなるような感情をトラウマにならないよう処理しているそうです。夢は覚醒時の恐怖感情を消し去ってくれているのです。毎日睡眠はしっかりとりましょう。

青いぽすと2021.10.1号 人の体にある心臓の数

 第2の心臓、ふくらはぎ。血液は心臓のポンプで全身をめぐりますが、心臓から遠い下半身ではその力もおよばず、ここでは第2の心臓が活躍します。足をあまり動かさない人では、下半身の循環が悪くなります。日頃からよく足を動かしましょう。第3の心臓、前腕。元々四足だったとされる人間は、前後の足で体を支えていました。今でも手は姿勢の保持と循環機能の補助をしていると考えられ、握力低下と全死因死亡、心血管疾患との関連を示す報告もあります。第4、第5、まだまだ体のどこかに心臓があるかもしれません。日頃からよく全身を動かしましょう。

青いぽすと2021.8.27号 楽しく塩分制限「食塩相当量」当てゲーム

 近年、食品成分表示が刷新されました。塩分の指標として従来はナトリウム量が表示されていましたが、現在は食塩相当量による表示となっています。何が違うのか?厚生労働省の1日塩分摂取の基準は、男性7.5g未満、女性6.5g未満、高血圧学会では6g未満となっています。1日3食なら1回あたり食塩2gくらいがのぞましいということ。食品表示が塩分相当量となったため、スーパーなどで食品表示を見ればすぐに分かるようになったのです。

 買い物をする時、商品を手に取ったら食塩相当量を見る習慣をつけましょう。塩分への意識が高まります。表示を見る前に1食分が食塩何グラムか当ててみましょう。繰り返すうち楽しく上手に塩分が減らせるようになるでしょう。


青いぽすと2021.7.30号 簡単に減塩「表面味付け調理法」

  減塩は健康維持にとても大切です。でも、塩分を減らすと食べ物はおいしくなくなります。実はこれ、正しくはありません。いや、前半は正しいのですが後半が必ずしも正しくありません。塩味は舌に直接触れた塩の量で決まります。コンビニおにぎり1個の米全体に含まれる塩分を1gとすると実際にそれを食べた時、舌に触れる部分の塩分は0.1g以下とされます。つまりほとんどの塩分は舌に直接触れず、塩味に貢献することなく食べられているのです。この「舌に触れる塩分」を意識した調理方法が減塩対策となるのです

 舌に触れやすい食材の表面のみしっかり味付けをする。おにぎりは塩を米に混ぜ込むのでなく表面にふりかる。煮物は使用する調味料の半分以下の量で先に煮込み残りは煮た後に表面にかける。ハンバーグの下味は少なめ、形成後の表面に味付け。炒め物も少量の味付けで調理し最後に調味料をふりかける。題して「表面味付け調理法」。レシピは無限に広がります。

青いぽすと2021.6.25号 簡単に減塩! 人工塩味料開発に光

  食塩の過剰摂取は高血圧や動脈硬化の危険因子で、減塩は健康に良いことは分かっています。でも、食塩を減らすと食べ物がおいしくなくなり、減塩はとても難しいものです。カリウムでナトリウムを代用したり、酸味で薄味をごまかしたり減塩の工夫はありますが、あまり広く普及していません。

 そもそも人が食塩をおいしく感じる仕組みについては、医学が進歩した現代においても謎のままでした。ところが昨年、舌の味蕾(みらい)とよばれる味覚センサーの中に「塩味」を感じる細胞が確認され、そこで塩味情報が変換され、脳へ伝わる仕組みが解明されました。この塩をおいしく感じる仕組みを応用すれば、食塩ではないのに塩と同じ味がする製品や塩味を感じさせる技術の開発につながるかもしれません。すでに販売されている砂糖ではないのに砂糖の味がする製品みたいに。今のところ人工塩味料は存在しないので、次回は簡単減塩調理法についてご紹介いたします。

青いぽすと2021.5.28号 「懐かしい」と感じることは健康にいいこと

  懐かしさを感じることは脳医学の研究により精神的、肉体的に良い効果があることが分かっています。認知症治療においては「回想法」として昔を思い出す音楽や写真、食べ物などを用いた治療が行われています。懐かしさを感じている時には、脳の中で前頭葉、側頭葉、後部帯状回などの動きが活発になるそうです。この変化は将来や未来を想像する時にも同じように生じることから、過去を懐かしむということは決して現実逃避の姿勢ではく、むしろポジティブな行為と考えられているのです。

 懐かしさの感情はストレスを解消し記憶力の低下を抑えたり心理学の分野では幸福感を高めることも知られています。日々の生活で疲れた時には、懐かしさにひたることで脳を元気にストレス解消。懐かしい音楽を聴く、懐かしい場所を訪れる、昔のアルバムを開いてみる。とてもおすすめです。

青いぽすと2021.4.30号 健康診断で蛋白尿と言われたら

  尿の中に含まれる蛋白の1日合計量が150mg以上の場合を蛋白尿といいます。健診では試験紙を尿に浸して検査を行うことが多く、(-)陰性、(±)疑陽性、(+)陽性と表記され(+)が出たら蛋白尿です。蛋白尿は腎炎や腎症などの腎臓病や多発性骨髄腫、膠原病など腎障害に関連した病気の可能性を示す所見です。ただし、水分をあまり摂らず脱水や濃縮尿で(+)となる場合や起立性蛋白尿と言って立位、運動などが刺激になり病気でないのに一時的に(+)となることもあります。健診で蛋白尿と言われたら、まずはかかりつけ医に相談して尿の再検査を受けましょう。もしも蛋白尿が持続していて詳しい検査が必要な場合は、専門医へ紹介してもらうことができます。